社会不安障害の人に多く見られる性格傾向について

 社会不安障害は、人前であがりやすいというもともとの特性に由来していることも多く、性格の問題ばかりではありません。社会不安障害になりやすいもともとからの気質のようなものがあるとされています。多くは不安にたいする感度が高いばあいで、いわゆる心配性だったり慎重はタイプだったりします。まじめで責任感が強い、心配性で完全主義の傾向です。

 これらは、社会生活をするうえで大切な側面でもありします。まじめで責任感が強い人はやるべき仕事を堅実にしっかりこなします。また心配性で完全主義の人は、先々に生じうることをリスクも含めて予測しつつ、よく考えて、慎重に行動したり物事をすすめたりします。

 こういった社会的に評価される良い側面があるのです。実際に上司からもよい評価で信頼もされ、順調に昇進したり、通常より早い昇進をしたりすることもあります。

 こういった気質に加えて、性格傾向とか考え方の癖が重なっていることがあります。順調に昇進したり、早めに昇進すると、さらに責任感が強くなり、期待に応えようする意識が高まったり、注目されている気がして失敗してはならないという気持ちが高まりがちです。それに加えて、いったんこだわりの点が生じたら、いつまでも同じ点に固執してしまいがちになることもあります。こだわりが生じやすいのも大きなポイントとなっています。円滑に物事が運んでいればいのですが、失敗してはならないという思いから、手や声の震えなどに過度にこだわりの点ができて、それがもとで不安に振り回されたり、極度に緊張が高まったりします。時にはパニックになってしまうことがあります。