運動、食事、栄養について

 

 運動や食事の改善によって、精神的な健康を保ちやすくなります。多くの統計報告でもそのことが示唆されています。

 

【運動】

・適度な運動がおすすめです。週に2,3回有酸素運動など。運動の開始時期や負荷の度合いについては担当医と話し合ってください。

 

 

【食事】

・栄養バランスのよい食事をしっかりととることが基本です。

・カロリー(エネルギー)の取り過ぎの場合は、適切なくらいに減らしましょう。

・メタボリック症候群を指摘された人は、食生活や適度な運動がとくに重要です。

 

【栄養改善】

さらに食生活の改善を目指すために以下のようなものがあります。

・日本ふうの健康食。

・西洋ふうの食事よりは地中海ふうの食事のほうがよいです。

 

地中海ふうの食事

西洋ふうの食事

野菜、くだもの、ナッツ類、豆類、シーフード、オリーブ油、ワイン

加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ)、ハンバーガー、ポテトチップス、白パン(精製した小麦粉で作った白いパン)、砂糖、ビール。

 

 ・ヨーグルト、納豆、などの発酵食品には善玉菌(プロバイオティクス)が含まれています。とくに過敏性腸症候群を合併している場合(うつ病の30%に合併)にはとくに摂取がおすすめです。

腸内環境はストレスとも関係があり、腸内環境を整えるとストレスが減り、免疫も向上するという調査結果が出ています。腸内環境を整える食品・栄養素は、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維です。乳酸菌やビフィズス菌はヨーグルトや乳酸菌飲料で、食物繊維は野菜などで摂取できます。

・緑茶がよい。

健康な方はうつ病患者さんに比べて緑茶をのむ頻度が多いという調査結果もあることから、うつ病患者さんは緑茶を飲むとよいでしょう。緑茶にはカテキンやテアニンという成分が含まれており、免疫力を高める効果が報告されています。腸内環境も整いやすいです。適量のコーヒーもよいとされています。

・魚は週に少なくとも2,3回は食べるようにしましょう。

 

【栄養補充】

 望ましい栄養素には、ビタミン(ビタミンB群や葉酸など)、ミネラル(鉄、亜鉛など)、必須アミノ酸(トリプトファンなど)、脂肪酸[ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタンエン酸(EPA)]などがあげられます。

 

EPA, DHA

ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタンエン酸(EPA)などの脂肪酸は「n-3系不飽和脂肪酸」といわれ、魚に多く含まれることが知られています。EPAは血液をサラサラに健康な状態にします。DHAは脳などの中枢神経系で神経の形成などに重要な役割を果たしています。

 

DHAEPA

魚(マグロ、ハマチ、イワシ、ブリ、サバ、サンマ、サケ、ウナギなど)

 

・ビタミン

ビタミンDB1B2B6B12、葉酸などのビタミンの不足は、うつ病の発症や経過に悪影響を及ぼすといわれています。これらのビタミンは野菜やきのこ、レバー、肉、魚介類などの食材で補給できます。

 

ビタミンD

きのこ類、魚介類

日光を浴びることによって機能が促進されます。

ビタミンB1

豚肉(赤身)、ウナギ、玄米、ナッツ

ビタミンB2

レバー、ウナギ、納豆、卵

ビタミンB6

刺身、レバー、鶏肉、納豆、にんにく、バナナ

ビタミンB12

貝類、レバー、のり

葉酸

葉もの野菜、納豆、レバー

 

・ミネラル

鉄や亜鉛などのミネラルも、不足するとうつ病と関連する可能性があるといわれています。また、これらの食材と一緒に野菜をとると、野菜に含まれるビタミンACが鉄や亜鉛の吸収を促進します。

鉄分の低下で疲れやすい、イライラする、興味関心の低下、集中力低下を来すことがあります。とくに女性では鉄分が低下しやすいので注意しましょう。鉄分はサプリで取り過ぎないようにしましょう。

 

レバー、赤身肉、魚介、海藻、青菜類、納豆

亜鉛

カキ、ウナギ、牛肉、レバー、大豆製品、貝類

 

 

・アミノ酸

トリプトファンやメチオニンといった必須アミノ酸が不足すると、気分が落ち込みがちになります。トリプトファン(必須アミノ酸の一つ)は、神経伝達物質の材料になります。必須アミノ酸は、肉や魚、卵、大豆、牛乳などに含まれる良質なタンパク質から摂取するとよいでしょう。

 

トリプトファン

牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、バナナ

メチオニン

牛乳、乳製品、肉、魚、ナッツ、大豆製品、卵、野菜(ほうれん草、グリーンピース)

チロシン

牛乳、大豆製品、魚(カツオ節、しらす干し)、乳製品、肉、卵、アボカド