軽症うつ病と痛みについて

とくに仮面うつ病 (masked depression)

 軽症のうつは、軽症であっても、身体の痛みとの関連が考えられています。

 古くから精神医学では、うつの症状はごく軽いけれど、身体症状が前景に現れる場合があるということが、よく知られていました。これはmasked depressionと呼ばれていました。うつ状態がマスクされた、つまり隠されたうつ病というものです。身体症状の代表は痛みです。鎮痛薬では効果が無くて、抗うつ薬によってはじめて痛みが激減したというのが、masked depressionと見なされた根拠でした。

 痛みにはいろいろな原因があり得ますが、そのひとつとして「うつ」を数えることが出来るのです。