元名古屋大学精神科教授の笠原嘉(よみし)と元京都大学精神科教授の木村敏(びん)という二人の高名な精神科医が1975年に作ったうつ病の種々のタイプを分類したものです。

 「うつ病」といっても、いろいろなタイプがあるので、それをまとめた功績は大きいと思われます。そしていまでも有効です。

 

 以下のようにうつ病を6つの型に分けています。

第Ⅰ型:メランコリー親和型に基づく性格反応型うつ病

第Ⅱ型:循環性格を基礎とし,躁・うつ両相を周期的に繰り返す循環型うつ病

第Ⅲ型:未熟依存型自信欠如的な性格に持続的な葛藤状態が加わって生じる葛藤反応型うつ病

第Ⅳ型:分裂病質が躁うつ状態を示す偽循環型分裂病

第Ⅴ型:悲哀反応

第Ⅵ型:その他のうつ状態

 

これを見て、わかりにくいと思います。でも以下のように平易に解釈してしまうこともできます。

 

第Ⅰ型:うつ病になりやすい性格(メランコリー親和型)をもった標準的なうつ病。つまり一般的なうつ病です。

第Ⅱ型:今でいう双極2型のうつ病。これについてはほかのページでもご説明しています。

第Ⅲ型:性格的な未熟さからくる依存的、自信欠如、高い葛藤によって生じるうつ状態。

第Ⅳ型:統合失調症的な特性があるばあい。

第Ⅴ型:肉親との死別や恋人との別離、その他ショックなことによって悲しんでうつ状態になるばあい。

第Ⅵ型:その他のうつ状態