痛みに対しては、痛みに対する抑制がはたらくようなメカニズムがあるとされています。それを痛みの下向抑制といいます。うつ状態になると、この痛みに対する下向抑制が働きにくくなると言われています。その結果、痛みがより一層強く感じられたり、あるいは、痛みの苦悩が大きくなったりします。ある種の抗うつ薬には、この下向抑制を増強するものがあるとされています。抗うつ薬が痛みに有効だということは、古くから経験的に知られていたことです。