月経前症候群(PSM)、月経前不快気分障害(PMDD)

 月経前症候群(PSM)と月経前不快気分障害(PMDD)は、生理が始まる前に心身が不調をこたして、日常生活・社会生活に支障を来したり、苦痛感が強く、対人関係にも悪影響を及ぼしたりするものです。生理が始まる約10日前くらいから症状が始まり、生理が開始すると消失するのが特徴です。おもに身体症状が現れる場合が、月経前症候群(PSM)で、おもに精神的な症状として現れる場合が、月経前不快気分障害(PMDD)です。

 程度によっては、社会生活とくに人間関係にに大きな支障を来たすことがあります。

 

 


精神的な症状

 精神的な症状としては、気分の沈み、興味関心の低下、意欲の低下、疲れやすい、イライラする、攻撃的になるなどです。軽度のものから、重度のものまであります。軽度のものは、さほど支障を来さないので、とくに病名がつくわけではありません。しかし、支障の度合いや苦痛の程度によってはこの病名がつくこともあります。精神的な症状を見ておわかりの方もいらっしゃるかもしれませんが、これらはうつ病の症状と似ているところがあります。そのため、アメリカ精神医学会では、月経前不快症候群(PMDD)が、うつ病性障害にも分類されるようにもなってきています。実際には、この疾患の症状は各人各様でもあり、気分の沈みというより急激に人格が変わったように、会社や家庭や恋人に攻撃的になって、人間関係を壊してしまう場合などもあります。でも、こういったケースでは、性格や精神的な問題が皆無とはいわないでも、やはり生理前の体調の変化こそが最大の原因だと考えられます。

月経前症候群(PSM)、月経前不快気分障害(PMDD)の治療

 ストレスが背景にあるようでしたら、それについて話し合います。

 精神症状であっても体調の変化が原因ですので内服薬も有効です。漢方の効果も期待されるともされ、婦人科ではよく漢方が処方されてます。漢方は多種多様ですが、当院でもよく漢方を処方することがあります。また婦人科ではピルを処方することがあります。つまり生理を止めれば、これらの症状もなくなるであろうという考え方です。それもやはり効果があります。しかし不思議なことに生理が止まっても、月経前症候群・月経前不快気分障害は周期的にやってくることがあるのです。

 心療内科・精神科では、精神症状が強い場合にはSSRI(選択的セロトニン阻害薬)という一種の抗うつ薬を処方することがあります。それによって、うつ状態、興味関心の低下、意欲の低下、疲れやすい、イライラする、攻撃的になる、といった症状が大きく改善することが少なくありません。

 婦人科ではSSRIの処方は扱わないのが通常ですので、SSRIについて専門的に熟知している心療内科・精神科がふさわしいと思われます。