抗うつ薬イフェクサーについて

 新しく日本で抗うつ薬が登場しました。

 2015年12月8日にイフェクサーという名称の抗うつ薬が日本で使えるようになりました(認可と薬価収載)。成分名はベンラファキシン。

 アメリカのワイス社が開発をして、その後にファイザー製薬に吸収されたものです。そもそも海外では1993年から使われはじめ、97年に徐放製剤が使われ始めたので、日本にはずいぶん遅い導入となります。日本ではたいてい導入が遅いです。そのかわり海外での使用経験のデータの蓄積が豊富ですので、安心の面もあります。

 種類としてはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。既存のSNRIである、ミルナシプラン(トレドミン)よりデュロキセチン(サインバルタ)のほうがノルアドレナリンの効果は高いのですが、デュロキセチンはセロトニンの作用が少な目でした。このイフェクサーはデュロキセチンよりもセロトニンの作用が高まっています。

 低用量から中等量ではセロトニンの作用によって、不安、抑うつが改善し、ノルアドレナリンの作用はあまり発揮しません。中等量から高用量でセロトニンに加えてノルアドレナリンの作用が高まります。ノルアドレナリンが高まると意欲の改善もされるといわれています。

 セロトニンの作用が高いので、SSRIのような作用も持ち合わせているため、海外では、パニック障害や社会不安障害などの各種不安障害にも適応をとっています。つまりSNRIの「S」も「N」も効果が高いということです。これがこの内服薬の最大の特徴と思われます。

 

 アメリカでは最高225㎎までとなっていますが、EUでは375㎎までです。日本では225mgです。だいたい平均150mgくらいの使用です。

 

 副作用は既存のSSRIやSNRIとはとくに大きな違いはないようです。比較的軽いがよくある副作用としては、吐き気、眠気、口内乾燥、便秘などがありえます。ときに眠りが浅くなる人もいるので、そのような場合には朝に内服します。海外では、朝食後に服用するのが一般的なようです。また内科薬などほかの薬との併用はとくには注意する点は少ないです。

 

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