藤山直樹先生講演会

 藤山直樹先生の講演会を聴きました。

 藤山先生は精神科医であり、上智大学の教授でもありますが、おもなライフワークは精神分析です。神宮前にプライベートオフィスを構えていて精神分析療法を行っています。以前は週に1回ずつくらいのペースのクライエントが多かったように思うのですが、最近は週にできるだけ4回くらいをすすめているようです。日本の精神分析の領域では主要な人物の一人です。理論的には英国の精神分析です。米国の流れをくむ土井先生にスーパーヴィジョンを受けていました。また最近はラカン派との交流もあり、ラカン派の理論家と対談や共同講演をしたりもしています。精神分析には流派がありますが藤山先生は、英、米、仏というふうに流派を超えた拡がりがあります。

 ただし今日の講演は、精神分析そのものというよりも、精神医学についての話です。精神科医として仕事をしているのは週に1日とのことでした。これはたしか大分前からそのペースであったとおもいます。

 これまで先生には何度も話を聴いたことがありますし、10年ほど前に一度プライベートオフィスを見学させていただいたこともあります。たいへん落ち着いた雰囲気のオフィスでした。書斎としても機能するとともに、次々とクライエントが訪れる場所です。

 藤山先生は、精神分析家らしいオーソドックスに落ち着いた人ではなくて、規格にとらわれずに、ちょっとはねたようなところがあり、ざっくばらんに自身の癖などもふくめて、オープンに話されるのもいつも通りです。

 話の内容としては、いつもと似ているといえば似ていますが、今日もいい話でした。精神分析そのものではなく、精神医学的面接についてでありますので、折衷的という印象も無きにしも非ずでしたが、基本の大切さを喚起させていただきました。

 著書多数あり。