原田誠一の講演会

 原田誠一先生の講演会を聴きました。

 原田メンタルクリニックで診療をされています。専門は、サイコセラピーとくに認知行動療法です。神田橋條治先生や生活臨床の宮内勝先生からも学んできたとのことです。

 

 情が深いお人柄のようです。患者さんのこれまでの経緯のストーリーを読む、そしてわからないという点に気がつくことの大切さも話しておられました。長い年月を患者さんと向き合ってきて、患者さんを見る目と働きかけを含むやり取りが豊かで充実しているようです。

 認知療法に関して印象的なことをおっしゃっていました。つまり、自動思考(いつものネガティブ発想の癖)を全否定しようとしたり、無くそうとしたりするよりも、いろいろな見方ができるように数を増やし豊かにして、自動思考をonly oneからone of themになるようにすればよいという方向です。ネガティブ発想の癖は大抵はonly oneの発想に陥りやすいです。人や状況そして自分自身をみるときに、only oneに還元できるものではありません。多面的にみることが現実を捉えることになります。その上で総合的に評価して、真の姿を認めつつ、受容しつつ、さらに豊かに捉えられることが大切です。

 

 著作は次のものがあります。

正体不明の声:対処するための10のエッセンス.アルタ出版、2002年

統合失調症の治療-理解・治療・予防の新しい視点.金剛出版、2006年

強迫性障害治療ハンドブック.金剛出版、2006年  

症例から学ぶ統合失調症の認知行動療法.日本評論社、2007年

精神療法の工夫と楽しみ.金剛出版、2008年

強迫性障害のすべてがわかる本.講談社、2008年

うつ病治療.メディカルビュー社、2010年

適応障害.日本評論社、2011年