質の良い食事は、心身の健康のため、有意義な日々の活動のために不可欠です。各人がそれぞれ工夫しながら探求していくことが大切です。洋の東西を問わず、古くから健康に良いとされている食事が良いでしょう。食生活については近年更にいろいろなことが提唱されています。
最近流行っているものの一つには、「糖質制限ダイエット」というものがあります。これはたとえばアメリカの循環器内科のアトキンス医師が提唱した方式があります。しかし糖質を極端に少なくするのもなかなか辛いものです。それにリバウンドも心配です。
今回は中央労働災害防止協会で、栄養士の小島美和子さんの「時間栄養学」についての講演会を聴きました。「時間栄養学」とは初めて聞く用語です。これは糖質制限の考え方ではありません。栄養素の摂取量も重要ですが、むしろ何を何時ごろ食べるのか、を考えるのです。食べる時間を考えるから「時間栄養学」というらしいです。
たとえば朝から代謝を上げる、つまりエネルギー消費する体のコンディションをつくるようにします。朝食が少ないと代謝が上がらずスタートしづらいのです。朝食をとることで体内時計が調整されます。これは朝日を浴びることとともに重要のようです。
「1週間プログラム」というパンフレットがあって、1冊80円で販売しています。その第1日目に試みることとは、朝食にパンではなくて、ごはんと納豆を食べるといいというのです。つまり栄養素としては主として糖質とタンパク質です。これで朝の代謝がかなり上がるとのことです。私も試してみましたが、冬だのになぜかしら体が暖かくなって汗ばむほどでした。
代謝が上がって、体内時計が適切に調整されると、日中の活動性が向上しやすいでしょう。
いろいろ試みて工夫しながら、豊かで健康的で美味しく気持ちよい食生活にしたいものです。
小島美和子さんは、アクティブで若々しい人でした。運動もしているようです。
ダイエットで無理をするより、質の良い食生活を維持しつつ、健康的な体形になることが大切です。このような著作もあります。内臓脂肪は体の中の脂肪の中で比較的減らしやすいところだとのことです。
厚労省の調査によれば、近年の若い女性は、忙しかったり、やせることを意識しすぎてか、たいへん栄養が乏しく、あまり健康的ではないという傾向が指摘されています。
アトキンス博士の糖質制限の考え方も、糖分は減らすけれども、食べる量は減らさない、脂質もとっても良いというふうに、食べないことを目標にするダイエットの考え方は、今ではむしろ古くなっています。小島さんの奨めるのは、糖質もあまり制限せずに、時間配分に気を付けて食べるというものです。