新しい不眠症治療薬の登場

2016年に、それまでにない新しいタイプの睡眠薬が登場しました。オレキシン受容体という部位に働きかけることで、ストレスなどで目が冴えた状態を緩和させ、自然な眠りを目指すものです。ベルソムラという名称の睡眠薬です。

このタイプは従来型の睡眠薬に比べて以下のような点で優れていました。

 

 

 

・より自然な眠りをもたらす。

・ふらつきが少ない。

・内服した後の一時的な物忘れがほぼ生じない。

・依存性がない。

・連用していても、急に中断しても大丈夫。

 

このように総じて従来の睡眠薬よりも安心して内服できます。しかし、残念なことにベルソムラは寝付き(入眠)の改善効果が物足りませんでした。

 

そして、20207月にこのタイプの睡眠薬に新しいバージョンが登場しました。日本で開発されたもの(エーザイ)で、「デエビゴ」という名称です。これは入眠効果がベルソムラより優れていて、従来型と遜色がないようです。またベルソムラよりも翌朝への持ち越しが比較的少なくなったものの、ときにありうるようです。また悪夢も少なくなったようです。効果と安全性のバランスが良好であり、今後とても期待されます。ただし、お薬は各人との相性が何より大切です。

 新薬ですので1年間は14日分が最大処方日数という決まりになっております。