ADHD(ADD)と他の精神的な不安定との関連について

  ADHD(ADD)をもっていますと、焦ったり、そわそわして、不安で落ち着かず、ミスを繰り返しがちで、物事の整理もつかず、本来の能力も発揮しづらく、日常生活や社会生活が思うようにはうまくできません。それをなんとか克服しようとしても失敗を重ねるものですから、自信が低下しがちです。こういったことによって精神的に不安定になりやすい傾向があります。

 ADHD(ADD)の人が、うつ病などの気分障害をともなうことはおよそ20%くらい、不安障害を伴うことは30%くらいと呼ばれています。ほかに社会不安障害(人前で過度に緊張してしまう)や強迫性障害(確認癖が極端になってしまう)を伴うことも少なくありません。ときにはアルコールで紛らわせようと依存症になることもあります。

  もっとも、ADHD(ADD)の症状が改善して生活のペースがつかめるようになってきますと、気分障害、不安障害なども自然と改善しやすいです。

 またADHD(ADD)の診断を受けることは、自己理解をすすめるステップとなることが有意義であると考えられます。ご自身の状態が何であるかわからないまま失敗を重ねて自信を失っていくより、自分の状態を把握したうえで、工夫や試みを積み重ねるほうが、前向きな気持ちになりやすいです。