自律神経症状が生じることは、少なからずありますが、実際には自律神経症状とは各人によって多種多様な現れ方をします。その人の身体の癖のようなものでもあります。ただ、一般に頻度の高い症状もあります。たとえば、呼吸が苦しくなる、ドキドキする、汗が出る、血の気が引くように首筋が冷たくなる、逆に熱くほてってしまう、体の筋肉が緊張する、お腹が痛くなったり下痢をする、などです。
自律神経は体中に張り巡らされた神経であり、心臓、血管、呼吸器、そして皮膚の汗腺にまでも拡がっています。自律神経によって、休息や活動に適した身体のバランスを作り出します。しかし、ストレスや不安が強いなどによって、こういった自律神経がうまく機能しなくなることがあます。それによって、上で書いたような症状が現れてきます。
自律神経の症状は身体の癖のようになっているようでもあり、日常的なストレスが強まると、同じような症状が繰り返しでくる傾向があります。ストレスを緩和するだけでは、日常生活が立ちいかなくなりかねませんが、ただ、強いストレスや心配事や問題は解決されれば自律神経症状も緩和することもあります。また過労が気づかないうちに根付いていることがありますので、このような場合には、根気強く、ストレスがたまらないように心がけたり生活習慣を見直したり、日々の気持ちの向け方を変えるなど、見直しと根気強い対応が有効なことがあります
ストレスが強いと自律神経の機能が乱れやすいです。ですから仕事のストレスをためすぎないように。また色々な悩みなど心理的ストレスを緩和することも大切です。日常生活には様々なストレスがつきものですが、特に大きなストレスフルな時期もありますから、そういった時期こそ、休憩や休息などホッとできる時間はより一層大切になります。自律神経は身体の状態を一定に保ってくれるシステムですから、このシステムがうまく機能するように大切にしていかなければなりません。あまりこのシステムを酷使しつづけないことも大切です。
自律神経症状は一般に内服薬の効果が期待できます。その代表的なものが「抗不安薬」です。抗不安薬は不安や緊張の緩和する作用がありますが、自律神経症状にも効果があります。抗不安薬は、胸がざわざわしたり、体の症状として表れてしまうようなときに効果が現れやすいです。
また自律神経症状は、深い悩み、うつ病、不安障害に伴っても生じることがありますので、自律神経症状という見た目の症状にたいする対症療法だけでなく、背景にあるものの治療から考えた方が良いこともあります。