気分安定薬 ラミクタール(成分名ラモトリギン)

 ラミクタール(成分名ラモトリギン)は、うつ病の双極型(双極性障害2型)の治療薬です。気分安定薬の代表的なものの一つです。気分安定薬のなかではもっとも新しいものです。テンションが高い状態にはあまり効果がありませんが、抑うつ状態にたいしては優れた効果を発揮するため重要な選択肢として検討することがあります。

 そもそもうつ病の双極型(双極性障害2型)は、テンションが高すぎる時期があっても頻度も程度も小さくて、それにたいして、うつ状態が長かったり、深かったり、ネガティブ発想にもなりやすく、反復したりしやすいです。こういった状態には、ラミクタールの効能が発揮することが少なくありません。ラミクタールは継続内服によって予防的効果もあります。

 うつ病の双極型(双極性障害2型)の治療薬としては、万能でもありませんし、効果に個人差もありますが、画期的といえるものであり、重要な選択肢のひとつです。

ラミクタールの副作用

 ラミクタールは総じて安全性が高いと考えられています。ラミクタールは眠気が少なく、依存性は皆無、催奇形性もほぼないと言えます。内服を継続しているうちに新たな副作用が現れてくるということも他剤に比べても少ないのも特徴的です。子供でも内服できるものです。

 ただし気を付けなければならないのは内服初期と増量期のアレルギー反応です。つまり発疹が生じることがあります。このラミクタールの成分(ラモトリギン)自体が毒性などを発揮するのではなくて、体内で薬の成分に対して過剰なアレルギー反応が生じる場合があるのです。もし発疹が少しでも生じたら、すぐに中止または減量しなければなりません。それで大丈夫です。無理して内服し続けると悪化して重篤化することがあります。

 この発疹というアレルギー反応を生じにくくするために、内服量を少量から開始して、段階的に増量していきます。こうすればかなり発生しにくいです。薬の成分に慣れさせます。増量のペースは厚労省が定めたスケジュール通りか、それよりもゆっくりと増量します。このようにすれば、発疹の頻度が低く抑えられます。またいったん慣れてしまえば、内服を継続しても発疹は生じなくなります。