ここ1,2年で双極型うつ病の治療薬の選択の幅が増えました。
日本うつ病学会治療ガイドライン2012年の「双極性障害の大うつ病エピソードの治療」によれば、推奨される治療薬は次のようなものです。
※ クエチアピン(300mg/day)
※ リチウム(0.8mEq/Lを超えたあたり。つまり1200mg/dayくらいの水準)
※ オランザピン(5-20mg/day)
※ ラモトリギン(200mg/day)
さらに
※リチウムとラモトリギンの併用(これはいわゆる「ラミ・リト療法」と呼ばれることもあります)
以上の方法は、統計的に有効であるというエビデンス(証拠)があると認められています。
また推奨されない治療法は次のものです。
・三環系抗うつ薬は躁転させる可能性がある。
・抗うつ薬の単独使用は、一般に、無効、効果不十分などになりやすい。
オランザピンが世界に先駆けて日本で双極性障害のうつ病エピソードに保険適応が認められたのは、象徴的です。